[NV350キャラバン車中泊DIY] サブバッテリーシステムの構成について(ソーラー&走行充電)

NV350キャンピングカー化まとめ


2019/5/22 追記
※実際の配線作業の記事はこちらをご参照ください


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電気について基本的な部分を勉強した上で、簡単な(自己流の)配線図を作成した。
この構成を決めるにあたり調べたことや、揃えたものをまとめてみる。

ヒューズを四角形で表記した
それぞれのケーブルにsqで太さを表記した

キャンピングカーを作るにあたり、以下3要件は欲しいと思っていた。

  • ソーラーパネルからサブバッテリーに充電できるようにする
  • サブバッテリーに走行充電できるようにする
  • サブバッテリーから家電を使えるようにする


知識ゼロの段階で、電気のこととか、走行充電の仕組みとか、ソーラーパネルからの充電と走行充電という二つの充電をどうやって配線するの???とか全然イメージできていなかったが、ネットや書籍で調べてるうちに徐々に理解した。



とりあえず配線を考える上で必要だった知識について....

基本1:電気と電気機器について

中学で習うが、電力(W)=電圧(V)×電流(A) これを知ってれば大体大丈夫。
あと電気機器には家庭用コンセントの交流100V(AC)で使えるものと、車載用家電とかで直流12V(DC)で使えるものがある。

例えばAC100Vの250Wの炊飯器を使うと流れる電流は 250W/100V = 2.5Aとなる。
同じようにDC12Vの72Wの掃除機を使うと、72W/12V = 6A の電流が流れることになる。

また、AC100の家電を12Vのサブバッテリーで使用する場合はインバーターを使ってDC12VをAC100Vに変換してから使用する。

その場合、例えば上記の炊飯器をサブバッテリーからインバーターを経由して使う場合、結局250Wの家電を12Vで使うことになるので、サブバッテリーとインバーターの間に流れる電流は(インバーターの変換効率は一旦無視して)250W/12V = 20.8A となる。 (※結構な電流が流れるということを言いたい)

基本2:ケーブルの太さとヒューズについて

上記のように、DC12Vのサブバッテリーから家電を使う場合、繋ぐ電気機器によっては大電流が流れる。なので、想定される電流に合わせて、使用するケーブルとヒューズを選定する必要がある。

これをちゃんとやらないと、ケーブルが細すぎたりしたらキャパオーバーして火事になったりするらしい。

ケーブルは、太さ(日本規格のスケアやUS規格のAWGが多い)に対して許容電流が大体決まっている(一概には言えないが)。例えば今回使う5.5sqのケーブルは50Aまで流せる。 2sqのケーブルだと20Aまでいける。
sq(スケア)というのはケーブルの断面積(㎡)のこと。

ケーブルの基本は、"太く短く" らしい。

ヒューズというのは、ケーブルの途中に設置しておいて、一定以上の電流が流れると切れて電気を遮断する安全装置。各電気機器の間に入れておくことで、過電流による電気機器の故障を防ぐ。

例えばサブウーファーをつけた時は、付属の1.25sq(たしか)の電源ケーブルに10Aのヒューズがついていた。これはサブウーファーが10A以上の電流を必要としないので10Aのヒューズをつけ、ケーブルは少し余裕を持たせて15Aまで流せる1.25sqとしているのだと思われる。

今回の場合もこんな感じで、各電気機器の仕様に合わせてヒューズとケーブルを選定した。

基本3:ボディーアースについて

最初、ボディーアースという、車をいじる上では大前提である仕組みを知らなかった。ボディーアースとは、各電装品からメインバッテリーに戻るマイナス線を、車のボディで代用する仕組み。メインバッテリーのマイナス端子をボディに繋いでおいて、各電装品のマイナス線は最寄りのボディ部分に繋ぐことで、電気がボディを伝ってメインバッテリーに戻る。これにより配線コストを抑えているらしい。もちろんバッテリーのマイナス端子に直接電装品のマイナス線を繋いでも問題は無い。

なるほど賢い仕組みだ。

上の図の中では、CTEKの充電器とメインバッテリー間のマイナス線をボディーアースで繋いだ状態になっている。



以下、各機器の選定について...


サブバッテリーの選定

サブバッテリーは、120Ah(20時間率)の、OPC12-120というやつにした。
これは6A(120の20分の1)の電流を20時間使い続けると最低電圧の10.5Vになるという意味らしい。10.5Vを下回った状態で使用するとバッテリーが劣化するらしい。

測定器で電圧を測ってみたところ


(楽天から消えてた... 俺買った時は2万ちょいだった)

使う可能性のある電気機器(省エネに絞って探した)とその消費電流を列挙したが、ドライヤーや炊飯器など、消費電流が大きいやつでもそんな長時間使うこともないだろうから、一旦この容量のバッテリーでいいだろうと判断した。(電子レンジや洗濯機は多分使わない)
足りなかったら後から増やせばいい。

▼AC
PC充電 8A
スマホ充電 3A
電子レンジ  35A
洗濯機  20A
サーキュレーター 1.8A

▼DC
冷蔵庫 2.5A
LED照明 1A
電気毛布 4.2A 
掃除機 6A 

充電器の選定(走行充電とソーラー充電)

充電については色々調べたけど、配線が楽ということと、ちゃんと充電してくれるという点からCTEKのD250S DUALを購入した。

ソーラー充電テストしているところ



まず配線が楽というのは、ソーラーパネルのケーブルとメインバッテリーからのケーブルをこの充電器の端子にそれぞれ繋げば配線が済むということ。

そうすればあとはこの充電器がソーラー充電と走行充電を一元的によしなにやってくれるらしい。エンジンが掛かっているときはメインバッテリーから余剰電力を充電し、エンジンが止まっていてソーラー充電可能なときはソーラー充電をするといった感じに。

そして、ちゃんと充電してくれるというのは、この充電器には昇圧回路が入っていて、走行充電時、メインバッテリーからの電圧を大きくしてからサブバッテリーに充電してくれるので、より満充電に近づけられるらしい。(参考記事


ケーブルとヒューズの選定については、取説には以下のように推奨のケーブルとヒューズが記載されているので、基本的にこれに従った。

取説より

また、念のため家庭用コンセントからも充電できるようにAC充電器も入手しておいた。

コンセントからバッテリーを充電するやつ

ソーラーパネルの選定

ソーラーパネルは、屋根の大きさで大体のサイズを絞り、CTEKの充電器への入力制限値に合わせて対応するスペックのものを選定した。

まず屋根に登って寸法を測ったところ、左右のボルトの間隔は124センチだった。
(ボルトはM8。)

ボルト寸法

屋根(車体はワイドのスーパーロングのハイルーフ)

なので、124センチ以内のパネルがいいかなーという感じ。

次にCTEKの充電器は入力電圧が最大23V(超えたら壊れる)、出力電流が最大20A(20A以上入力されても20Aしか充電しない)と書いてある。
本家製品サイトより


なので、ソーラーパネルは出力電圧が23V未満、出力電流が20A未満になるようにした。
購入したのはsuaokiという中国?メーカーの100W単結晶シリコンのパネル
サイズは110 x 57 x 0.25 cm。激薄でセミフレキシブルで、多少曲がる。
さらに固定用の穴が8箇所ついている。




定格電圧17.8V、定格電流5.62A。
これを3枚並列にして、出力電圧17.8V、出力電流16.86A(5.62×3)として、要件を満たしつつ十分な電力を得る作戦。

※最新(2019年7月時点)では、この100Wパネル3枚ではなく、160Wを2枚でパワーアップしています。詳細はこちらの記事をご参照ください。


最新ではこれを使用しています


右がソーラーパネル。この時は2枚だがもう1枚追加して3枚とした。

バッテリーとソーラーパネルと充電器が揃った時点で、部屋でソーラー充電のテストをしてみた。

試しに1枚だけソーラーパネルを繋いでベランダに出した。

全体

バッテリー残量や充電状況を監視できるようにするために、色々調べた結果、高価だけど設置が楽でBLE(bluetooth lowenegy)経由でアプリで確認できるBAT.MANというものを買って装着してある。



赤いテープで固定してるのがBAT.MAN

曇り気味だったけど、1Aくらいで充電されていた!!!
バッテリーの容量が105Aから修正したいけどできなかったのは、次のアプリアップデートで対応されると信じることにする。

BAT.MAN画面

ソーラー充電テストの様子(動画)



インバーターの選定

インバーターはパソコンとかドライヤーとかAC電源が必要な家電を使用するのに使う。
上に列挙した家電を使えるようにするには結構大きめのが必要そうなので大は小を兼ねるの観点も込めて1500Wの純正弦波のやつを買った。(詳しくはこれ参照



中国製の割安な(といっても2万円超)ものだが、各種保護回路がついていて、中でも特に低電圧遮断機能は助かる。これは、バッテリーの電圧低下を検知して自動的にシャットダウンして過放電を防ぐもので、バッテリーを痛める心配をしなくてイイ。

待機電流(電源オフ時の電流)は0.8A 変換効率はMax90%とのこと。

省エネ炊飯器を買った時に試しにサブバッテリーとインバーターを繋いでバッテリーの電気で米を炊いてみた。



ちゃんと炊けたし美味かったし感無量の気分だった。

バッテリーの電気で炊飯中

このインバーターにはヒューズが内蔵されているが、一応サブバッテリー〜インバーター間にもヒューズを入れることにする。

インバーター付属の16sqのケーブルに、100Aのヒューズを使うことにした。

インバーターに付属されていたケーブルは、印字されてる文字から検索してみたら、60227 IEC 02(RV) という中国規格のもので、許容電流が119Aだった。
なので100Aヒューズを使って問題なさそう。

ケーブルの印字

参照元サイト


DC電源の取り方について

DC12Vで使える家電はインバーターを経由せずに、サブバッテリーから直流のまま電気を取り出す。
その際、低電圧保護のため、バッテリープロテクターを経由させて取り出すことにした。(上の図の右側に記載)

このバッテリープロテクターはバッテリーの電圧が10.5V以下になるとその先の電装品への電力供給を停止するもの。

バッテリープロテクター


最大出力電流は40A、連続30Aと書いてある。
ヒューズは50A以下を使えばいいらしい。

取説より


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
BC-2440U-12V バッテリープロテクター(12V)
価格:9288円(税込、送料別) (2019/9/25時点)




最初の配線図にも書いたが、バッテリープロテクターから先は、シガーソケット二つと、照明、水道ポンプに配線する予定。

シガーソケットのうち一つは主に冷蔵庫用に使う予定。冷蔵庫はまだ買っていないが、澤藤電気のエンゲルブランドを買う予定。(俺のじいちゃんが昔働いていた会社!!!世界の澤藤電気!!!バモス)

もう一つのシガソケは電気毛布や携帯の充電、掃除機などに使う予定。

ポンプと照明は合わせて2〜3A程度しか使わないが、後々分岐とかしてもいいように、余裕を持って2sqのケーブル(20Aくらいまで許容)と15Aのヒューズとした。シガソケはそれぞれ120Wで、10Aヒューズ が内蔵されている。

ポンプ&照明で15Aヒューズ、シガソケ10Aヒューズ×2なので、根元のサブバッテリー〜バッテリープロテクタ間は5.5sqのケーブルに40Aヒューズを使うことにした。



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最後に、今回揃えた電気機器たちはこれら...


ソーラー/走行充電器 CTEK D250S DUAL



マルチメーター



12Vバッテリー用 AC充電器



100W ソーラーパネル


ソーラーパネル用ケーブル端子(MC4端子)



ソーラーパネル3枚並列接続用MC4分岐端子
並列接続するためにこれを使用した。



1500Wインバーター



バッテリープロテクター
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BC-2440U-12V バッテリープロテクター(12V)
価格:9288円(税込、送料別) (2019/7/8時点)



[AC100V家電]

250W炊飯器(2合炊き用)



500Wドライヤー
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]
エコドライヤー アラシアル ALACIAL メタルレッド
価格:4104円(税込、送料別) (2019/7/8時点)




[DC12V家電]

エンゲルの冷蔵庫!
これを買いました。


12Vポンプ(水道用)



[ヒューズ]

ヒューズは色々タイプがあるが、丸形端子をボルトで固定できるタイプのやつが楽で確実でイイと思い、以下のものたちを購入した。

120Aヒューズ&ボックスセット
買った当時、他のがボックス付きで売ってなかったのでボックス欲しいがためにこれをいくつか購入した。


40Aヒューズ



100Aヒューズ